インビザライン:10カ月のリアルな経過と外出時の便利グッズ

インビザライン:10カ月のリアルな経過と外出時の便利グッズ

マウスピースで矯正するインビザラインを始めて10カ月近く経過しました。矯正開始前と後で何が変わったのか、歯はどんな感じに動いているのか、また外出時に持っていたら便利だったものなどをまとめていきたいと思います。

難易度SSSだった私の歯列

私の歯は幼少期にワイヤー矯正をしていて整っていましたが、30代から後戻りし始めて一部が戻ってしまいました。

そのため、笑顔が作りづらい、ものが噛みづらい、片側の顎関節症、妙な肩こり、体や顔の歪みなど体に多くの不具合が発生。根本的に治していくには歯列矯正かなと思い、複数の歯科医院に問い合わせ&カウンセリングを試みて、現在の歯科医師の先生にお願いすることになりました。

一度はキレイに揃っていたことも原因しているのか、見た目はそこまでひどい歯並びではありませんでしたが、お話を聞いた全ての医院で「ものすごく難易度が高い」「治す自信がない」とお断りされる先生が何人もいらっしゃいました。そのため、最初のカウンセリングからスタートまで半年以上かかりましたが、幸運なことに腕がよく慧敏な先生が引き受けてくださり、現在もスムーズに治療していただいています。

インビザライン開始前の疑問→答え

インビザラインを始める前は、矯正がスタートしたらどんな日常になるのか想像がつきませんでした。

●矯正開始前の疑問

アライナー(マウスピース)は装着したまま食べていいのか、飲んでいいのか。寝るときはどうするのか。洗浄方法は? 1つのアライナーにつき何日装着するの?

答えは、装着したままの食事はNG。飲んでいいのは基本水だけ。寝るときは着けたまま。洗浄は、朝置きたらタンパク質分解酵素入りの洗浄剤を入れたぬるま湯に30分ほど着けて、よく洗ってから再装着する。と、こんな感じです。面倒でしたが、もう慣れました。

また、1つのアライナーにつき5日~14日ほど装着して、次のアライナーに進みます。先生によってはインビザラインのアプリを使って患者の状態を確認しながら、次に進むのか、もう数日装着するのかを適宜指示してくれます。

アライナーの数は人それぞれですが、ネットを見ていると1stが40個から60個程度の人が多いでしょうか。それが終わったら、2段階目の2ndに進み、再び何十個のアライナーを装着・付け替えを繰り返して少しずつ歯を動かしていきます。

●装着時間は?

インビザラインは1日20時間から22時間以上の装着を推奨しています。装着時間を守らないと歯が予定通りに動きません。私は装着時間は意外と守っていて、用事などで長時間外す日は、そのアライナーの装着日を1日増やしています。また、間食はほぼせず、晩酌時間もかなり減りました。

●装着時に飲んでいいもの

アライナーはポリウレタン製で目に見えない微小な穴が表面に開いているため、装着時に色が付いた、例えば赤ワインとかコーヒーとかを飲んでしまうと、そこに吸い込まれてアライナーが着色してしまいます。また、糖分が含まれた飲み物を装着時に飲むと虫歯になりやすいためNGです。さらに40℃以上のものはアライナーが歪むためNG。そういう理由から、ノンシュガーで無色、ぬるい温度以下のものなら飲んでも問題ないようです。

私は水と、水に二酸化炭素が入っただけの甘くない炭酸水、ぬるい緑茶を装着時によく飲んでいます。他のお茶類は結構飲みます。熱いお茶はNGなので、水で薄めて飲んでいます。着色はそんなに気になりません。

それから飲み物ではありませんが、装着時は飴を舐めるのもNGです。虫歯に一直線です。虫歯になったら治療しなければならず、下手するとアライナーが全て作り直しになります。

●痛みは? ワイヤー矯正と比べてどうだった?

幼少期に床矯正、裏側矯正、表側矯正、ステンレスのワイヤー矯正、ワイヤーの取り外しタイプのリテーナーと多種多様に経験しています。

特に、アレルギー対応でのステンレスのワイヤー矯正については、調整後は地獄の痛みでした。毎回、帰りの車内で泣いたり吐いたりしていたことを覚えています。

そんな地獄を経験しているため、マウスピース矯正の痛みは本当に楽です。痛みはゼロではありませんし、じわじわとした歯がゆさはありますが、余裕で我慢できるレベルです。また、アライナーの違和感についても私は2カ月弱で慣れました。慣れるまでは吐き気があってちょっと苦労しましたが、慣れたら着けているのを忘れています。

喋りづらさについては、装着当初は舌っ足らずになって苦慮しましたが、それも次第に慣れました。人体ってすごい。私はかなり痛みや違和感に弱い人間ですが、それでも楽勝ということは、おそらくほとんどの人は平気だと思うので安心してください。ただ、それでも稀に耐えられなくて中止したという人もいらっしゃるようなので、心配な人は事前のお試しマウスピースを先生に作ってもらって、感触を試してみると良いと思います(私も2カ月ほどお試しで装着しました)。

外出時に持っていくアイテムの変化

装着時間が命のインビザラインの場合、長時間の外出には“歯磨きセット”を持ち歩くことが必須となります。

前回のブログでは外出時に持っていくものを一覧にしてまとめていました。そこから実際に何度も使っていくうちに少しだけセットに内容に変化がありました。

インビザライン体験記:矯正中の日常と外出対策→おすすめ歯磨きグッズ

当初持ち歩いていたのは、斜めがけできるサコッシュをポーチ代わりにして、電動歯ブラシ、平べったいシリコンコップ(無印)、ハンカチ、小分けした歯磨きジェル、除菌シート、ティッシュ、アライナーに使える粉洗剤、インビザラインケース、糸ようじタイプのフロス、ヘアクリップを入れたものでした。

現在持ち歩いているものは……

電動歯ブラシ、シリコンコップ、半サイズのタオルハンカチ、ゴムかけのゴム、歯磨きジェル、粉石鹸、ケース、除菌シート、糸ようじタイプのフロス、口周りに使うクリームです。

ティッシュは入れると邪魔なのでサコッシュには入れなくなりました。ハンカチは小さめが邪魔にならないので、無印のハーフハンカチを。

そして、歯磨き後に口周りが乾燥するのを防ぐためにクリームをケースに小分けしたものを持ち歩くようになりました。これが案外大事。何度も歯磨きをすると、口周りが本当に乾燥してくるんですよね……。結構重めのクリームとかワセリンを歯磨き前に塗って、歯磨き後に口周りを拭いて、さらに塗ると乾燥は防げている気がします。

使い続けていてやっぱり便利だな……と感じたのはサコッシュとシリコンコップです。サコッシュは斜めがけできるため、洗面台に置く場所がなくても安心です。シリコンコップは自立するし平べったいので持ち歩くのに本当に便利です。

矯正の治療経過について

そろそろ最初にもらっていたアライナーが全て終わりそうですが、まだまだといった感じです。概ね予定通り進んではいるものの、一番気になっていた八重歯がゴムかけで牽引しているものの下りてきてくれません。

あまりに動かないため、先日ちょっとした処置をしていただきました。これで動くと良いのですが……。

また、上顎が広がったために輪郭が結構変わって面長が少し改善されました。正直、ここまで変わると思っていなかったので喜びが大きいです。これからさらに下顎の噛み合わせを調整していくため、顔の縦幅が少し短くなる予定です。嬉しい……。

ルフォーやSSROなどの骨切りを考えていらっしゃる方は、まず歯列矯正をすることをオススメします。時間はかかりますが、スマホの顔認証が反応しなくなる程度には変わったのでやって損はないと思います。

ただし、まだ日本ではワイヤー矯正の方が上手な先生が多いようです。私はたまたまインビザラインが上手な先生にお願いできましたが、そうもいかないことはあると思います。

日本矯正歯科学会もインビザラインにはあまり良い顔はしていません。お値段もワイヤー矯正の方が数十万円安いことが多いです。さらに顎変形症だと診断されたら保険適用でワイヤー矯正+骨切り手術が受けられます。でもこれには落とし穴があって、症例を見るに先生の腕により、仕上がりにかなりの差があるように思います。矯正前後であまり変わっていない、矯正後の方がバランスの悪い顔になってしまった、神経麻痺が残った……。

何にせよ、矯正をするなら徹底的に情報を集めて納得がいくまで複数の医院に話を聞き、自分に一番良い方法でスタートを切れるといいですね。みなさんが良い歯並びと健康を手にできますように……!