お久しぶりです。しばらく何をしていたかというと、NPO法人チーズプロフェッショナル協会(CPA)が主催するチーズプロフェッショナルの資格試験に向けて勉強しておりました。
そう、私、お酒もチョコレートも好きですが、チーズもものすごく好きなんですよね……。ちなみに、最近食べたチーズで美味しかったのは、イタリアのブフロンヌ・ダルジェンタルと吉田牧場(岡山)のマジャクリ、共働学舎新得農場(北海道)のモールウォッシュ(GI十勝ラクレット)、フランスのボーフォール エテ、養沢ヤギ牧場(東京)のヤギチーズ、スペインのサン・シモン・ダ・コスタ、ケソ・ムルシア・アル・ビノです。チーズといえばヨーロッパと思われがちですが、日本のチーズもかなりレベルが高くておいしいですよ。ニセコチーズ工房、チーズ工房那須の森、三良坂フロマージュ、アトリエ・ド・フロマージュ、ボスケソ・チーズラボ、江丹別の青いチーズなども間違いなくおいしいです。
とはいえ、日本にある350以上のチーズ工房のうち、まだまだほんの少ししか知らない私ですが、チーズプロフェッショナルの存在はかなり昔から知ってはいたものの、ワイン界隈ではめちゃくちゃ難しいと評判の資格だったので手を出していませんでした。
チョコプロ合格でチープロにも挑戦
しかし去年、明治主催のチョコレートプロフェッショナルに合格。2025年度の合格率は21.1%だったので、もしかしたらチーズプロフェッショナルもいけるのではないかと試験の詳細を調べてみることに。
すると、合格率は意外にも40%前後とそこまで難関ではなかったので、よし頑張ってみよう! と取り組むことに。
しかし、これは大いなる勘違いだったのです。その数字は二次試験のみの合格率で、最終的な合格率の推計値はだいたい25%前後、年によっては20%を切っていました。立派な難関でした……。
実はCPAは、チーズプロフェッショナル試験の一次試験と二次試験の合格率を分けて発表しています。そして、最終的な合格率は発表していません。一次試験に合格すると、その年から3年間は一次試験が免除となるため、合格率の計算が複雑になるからでしょうか。
そのため、割と多くの人が私同様に二次のみの合格率を最終的な合格率だと誤解されているようでした。
ちなみに協会が発表している数値から算出すると、2026年度は一次試験受験者が291人(一次合格率から算出)、一次試験合格者が194人(協会発表)、二次試験受験者が321人(一次合格者+再受験者)、最終合格者が108人(協会発表)でした。おそらく再受験者は127人だと思われます。
一次試験のみの合格率は66.7%、二次試験のみの合格率は33.6%。一次と二次を合わせた最終の合格率は、全受験者数(一次受験者+再受験者)と最終の合格者数から算出するとだいたい25%ほどだと思われます。そういえば、同じように免除システムを採用している日本ソムリエ協会(ソムリエ、ワインエキスパート)の合格率はどうやって算出しているんでしょうね……?
二次試験が難関すぎた
というわけで、完全に誤解して試験に挑んだわけですが、これがかえってよかったのか気持ちに余裕をもって臨むことができ……ましたが……。
二次試験が驚くほど難しくて、試験中に一瞬血の気が引きました。まだ協会から試験内容が公開されていないので詳細は省きますが、チーズの生産国、製造工程、性質、ドリンクとのペアリングなどを完全に把握して臨機応変に答えられないと、試験をクリアすることができないのだと痛感しました。過去問も8年分か9年分やりましたが、今年が一番難しかったです。
さて、苦戦したものの、結果は独学で初めて受けて合格となりました。
チープロ独学合格した勉強法まとめ
私が行った勉強法をまとめてみましたので、気になるよ、という人はどうぞチェックしてみてください。机に向かうと眠くなっちゃう人間なので、頑張ってもせいぜい2時間が限度。そんな私がやってみた工夫です。とはいえ、そんなに特別なことはしていないと思います。
保有しているワインエキスパートの出題範囲にチーズも少しだけ含まれていたのと、ヨーロッパの地図はこのときにだいたい頭に入っていたので(特にイタリア全州)、その分スタートが楽でした。

ポイントはやはり、自分に合った勉強法を選ぶことだと思います。
視覚記憶が強いならノートをまとめて画で記憶する。私はデータとして覚えていなくても、画として記憶しておいて、後から頭の中でその画を思い出し、書かれている情報を読むことがあります。こういうタイプの人は、ちょっと面倒ですが自分が見やすいようにペンなどカラフルに使ってノートをまとめておくと後が楽かもしれません。
逆に、視覚記憶が強くない人がこの方法を採用しても遠回りになってしまいます。書いたら覚えるという人はひたすら書く。耳から覚えるのが得意な人はQuizletに入れた一問一答をひたすら聞く。もしくは人に解説してもらう。味覚で覚えられるならチーズを食べてテイスティングノートをつける。
それから、チーズの教本はできるなら電子書籍と紙媒体の両方を持っておくといいかなと思います。私は前期の教本を電子で、新教本を紙媒体で購入しました。電子版は出先でチェックするために、紙媒体の方はフックを書き込んで、自宅での勉強用に。
それから、AIを利用する場合は著作権に気をつけてください。教本を見て勉強がてらテキストにまとめて、それをAIに飲ませて4択問題を出題させる方法は結構良かったと思います。普遍的な情報ではありますが、念のためオプトアウト(AIに学習させないようにする)しておくと良いと思います。
GPTはハルシネーションすることもあったので(今の6が分かりませんが……)、テキストの内容をCSVに変換させる→GoogleのnotebookLMにアップして4択を出題させる方法が効率的でした。
それから、一番大事なこと。就寝直前に必ず覚えたいことをチェックする。寝ている間に脳の中で整理されて定着率が格段に上がります。
逆に、巷でよく言われている勉強法は私にはあまり合いませんでした。その日勉強したことを曖昧でも良いから白い紙に書き出してみて、間違えたところをチェックするという方法です。脳は間違えたところをより覚えようとするらしく、効率面では最強なんだとか。でも、私は間違えることにそもそもストレスを感じる人間なので、ダメでした。
いろいろやってみて、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
WEとチョコプロ試験を思い返す
10年前くらいにワインエキスパートに合格しました。一次は筆記試験で二次はテイスティングです。正直二次はチープロに比べて楽だったな……と思い返していたのですが、約10年前の当時、かなりスパルタな資格試験に対応したワイン会に参加して基礎を叩き込んでもらったので、それがなければもっと苦戦していたかもしれません。
去年合格したチョコプロは、二次試験ではチョコレートを食べて産地を当てなければなりません。ついでに、一次で獲得した点数に二次の点数が加算されて、最終的に総合点が満点の8割を超えたら合格という難関でした。つまり一次をギリギリで通過すると二次の問題をほぼ落とせないという地獄。私は一次9割弱、二次8割で合格しましたが、今思うと運もあったと思います。
チョコプロは3冊のテキストのうち翻訳された本気レベルの専門書があって、理解とインプットに苦しみながら分からないところはAIに解説させていましたが、チープロは教本がかなり親切な内容で読んでわからないということはまずないので気持ち的にも楽でした。
ただし、覚える量が多めで、理解力と応用力が問われるため、チープロ二次試験の方が難易度は上だと言えるでしょう。
個人的な難易度は、チープロ二次>>>チョコプロ一次>ワインエキスパート一次>チョコ二次>チープロ一次>ワイン二次です。
チープロ独学合格までにかかった費用

チープロ合格までにかかった費用はだいたい21万円超でした。内訳は上の通りです。結果的にスクールに通う場合とそんなに変わらないか、少しだけ安いかというところでしょうか。オンラインスクールだともっと安いのかな。
一番かかったのはチーズ購入費です。フランス、イタリア、スペイン、スイス、ギリシャあたりのPDOとPGIは押さえておきたかったので、購入できるものはザッと食べたかなと思います。
あと、過去問で日本チーズの知識を問われる問題があったので国内チーズもちらほら。
購入先は主にフェルミエです。あとはデパート、スーパー、カット販売してくれるワインバー、酒屋など。種類豊富で気が向いたら欲しいチーズを注文できるフェルミエの存在は心強かったです。
勉強するためにかなり買うことは分かっていたので、購入価格から10%オフになるメンバーズクラブ会員になりました。誕生月は15%オフなので、2回注文しました。送料無料になるラインも会員だと少し低かったような。
オンラインではチーズ王国、東京468食材、イタリア屋タナーチャでも買いました。後者2店は楽天です。
チーズ王国も会員制度があるのですが、フェルミエの会員になっていたのとラインアップがもう少し欲しいなと思ったので入っていません。とはいえ、フェルミエにはなかったモテ・シュール・フイユが販売されていたので購入して食べました。おいしかった。そうだ、創業者の久田早苗さんが手掛けた『魅惑のチーズバイブル フランス編』はおもしろくて素晴らしい名著でした。
オンラインセミナーはCPAが主催している単発のものです。5種類のチーズが送られてきて、先生と一緒にテイスティングしながら特徴をとらえていくというものでした。非常にわかりやすく、同じ講座を2回申し込みました。あとは、CPA坂上会長の白カビチーズの解説動画を1回。たしかリアルタイムだったような……? これは試験勉強というよりも、娯楽要素の方が強かったです。会長が始終とても楽しそうで、こちらもすごく楽しめました。
教材費は教本(紙媒体と電子書籍)と、Amazonで購入した対策問題集です。しっかりと対策が練られている構成で、繰り返し解けるような問題がたくさん収録されていたので重宝しました。
さて、この21万円という数字は実際どうなのか。やっぱりこれくらいチーズを食べて楽しんだから効率よく覚えることができ、一発合格を達成できたのかなと思いました。ストイックに机に向かい、勉強できるタイプの方だったら、もっと費用を抑えられるかもしれません。
最後に。チーズプロフェッショナルは合格率25%(推計値)という数字よりも、かなり難しいと思います。よく、合格率が20%を切る有名試験などがたびたび話題になりますが、受験者数が違います。もし、それらと同じように何千、何万という人が受けていたら、チープロの合格率はもっと下がるでしょう。
ワイン受験をクリアしている人も多く、レストランや小売といった日々チーズに親しんでいる現場の猛者たちが受験して、4人に1人しか合格しません。何度も受験している人も珍しくなく、免除期間を全て使い切って、また一次からという人もいます。
大手スクールが公表している受講生の合格率はかなり高い数値ですが、私は独学でも十分挑戦できると思います。
自分にあった勉強法を見つける。効率のよい方法を実践する。当日に向けて体調を整えてメンタルコントロールする。これだけでも、合格に近付けると思います。
私は二次試験直前、目をつむって深呼吸しながら、心の中で“推し”に「大丈夫。落ち着いて」と言ってもらいました。ただの妄想ですが、されど妄想。推しの言葉を反芻して、驚くほど落ち着いて試験に臨めました。そして、分からない問題もあったのに楽しむことすらできました。終わった瞬間は合格したと確信できるほど心に余裕がありました(とはいえ、帰宅して教本をチェックしたら誤答がボロボロ出てきて青ざめましたが)。
どうぞ、チーズプロフェッショナルを受験される方が、納得のいく結果を残せますように!
